11月の臨時休業のお知らせ

 11月は臨時休業がございますので、ご案内いたします。


★11月8日(金)~11日(月)

★16日(土)午後

都合によりお休みさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。



12日は定休日の火曜日ですが、営業いたします。

祝日4日(月)と23日(土)は営業いたします。


さて、せっかく更新するので、千代さんのお話をひとつ。


千代さんは意外ですが、本が好きです。

中学を卒業してすぐに美容室に住み込みで働き始めたので、高校には行けなかったそうです。

15歳で親元を離れて、いろいろ苦労もあったみたいです。

「昔はそういう人がたくさんいたのよ~」と言っていますが、ワタシの知らない若かりし時代が千代さんにもあったわけです。


本当はもっと学校で勉強したかったのでしょう。

(ワタシが大学で勉強を始めたのを喜び、卒業したときは、それは嬉しそうでした。)

それもあってか千代さんは若い頃から本をよく読んでいたらしく、小説はもとより、日本文学全集とか世界文学全集みたいな本がたくさんあります。

ワタシも学生時代から千代さんの蔵書を読ませてもらいました。


新聞で取り上げられる本の記事は必ずチェックしています。

今日もそんな本に関する記事を見つけたらしいです。


辻仁成さんの芥川賞小説「海峡の光」が舞台化されるという記事でした。


「ねーちゃん、この話面白そうよ」

と教えてくれました。


「今度、千葉駅の本屋さんで買ってこよう」

と買う気マンマンの千代さん。



・・・ちょっと待て。「海峡の光」?なんか見た事あるぞ。

と思ったワタシ。しかも、買った当時に感想を聞いた気もするぞ。


「その本、お母さん持ってなかったっけ?」

とワタシ。


「うちにあっただろ、それ」

と父。


ワタシと父の脳裏には、その本の姿かたちが浮かんでいました。


「え~、ウソ~。買ってないよ。題名は知ってたけど、買ってないはずよ」

と千代さん。


そうかな~、と思いつつ、テレビ台の棚を見ると、やっぱりありました。

「海峡の光」


どう見ても「海峡の光」と書いてあります。


「ほら、あるじゃん。」

と指差すワタシ。


「あれ~???、出してみて、出して出して、貸して!」

と前のめりで所望する千代さん。


本を手にして、奥付を確認。そこには鉛筆で、購入した日付が書いてありました。

千代さんは本を買うと、必ず買った日付とお店をメモしています。


「買ったんだっけ~?よかった買いに行かなくてすんだわ、すぐ読めるね!」

と嬉しそうに、本を抱える千代さん。


そうですね、すぐに読めてよかったね。

・・・いやいや、昔読んだのではないですか、それ。


「読んでないの?」

とワタシ。


「読んだけど、忘れちゃった。」

と千代さん。


忘れちゃったんですね。買ったことを忘れちゃったくらいですからね。

で、今回再び興味を抱いたわけですね。

インパクトのある題材なので、読めば思い出すとは思いますが・・・

2回楽しめるから得をした感じもします。


とりあえず、同じ本を2冊買うことを阻止できてよかったです。

せっかくなので、ワタシも読ませてもらおうと思っています。