ケロイド

 十数年前、肩にケロイドが出来てしまいました。

傷を作った覚えもなく、なんで出来たのかまったく身に覚えがありません。


出来た当初、お医者さんでは切除しても治すのが難しいと言われ、長年放置してきました。

小さなケロイドではありますが、チクチク痛む時もあり、「何とかならんか」と思いつつ付き合ってきました。


前に診て貰ったお医者さんについでがあった時、久しぶりにこのケロイドのことを聞いてみました。


「今、いいのがあるのよ!」


と、先生。「注射でよくなる」とのこと。

何でもケロイドにその注射を何回かすればかなり軽減するそうな。


注射と聞いて引くワタシ。しかも「何回か」って。


痛いのキライなワタシ。整体院の患者さんにも痛くしない主義なので、


「あ、じゃあ、考えてから・・・」

と、逃げようとしましたが、


「今日やるのよ!」

と言われ、ベッドの上へ。


「痛いからね」

と、脅す先生。先生が痛いと言うからには、本当に痛いに違いない。


「やっぱり、今日はやめときましょうよ、」

と、まだ逃げようとするワタシ。

「だめよ、もう薬出しちゃったんだから」

と、容赦ない先生。

「行くわよ」

との掛け声もろとも打たれました。


ケロケロ(我が家ではそう呼んでいる)の周囲を十箇所打たれました。

先生はうそつきではないので本当に痛かったです。ですが、その後若干膨らんでいたのも凹み、チクチク痛いのも消えました。


その後もひと月ごとに何度か看てもらいましたが、経過良好とのことで注射は打たれずに済んでいました。


しかし、本日、再び注射されてしまいました。

そして次回は違う注射を打つと言われました。


その注射も痛いのか?


弱虫のワタシに、優しい看護師さんが

「今日のに耐えられれば、大丈夫だと思うけど。次は麻酔(貼るタイプ)やる?」

と聞いてくれました。

「何箇所、打ちますか?」とビビるワタシ。一回だけなら大抵の注射は乗り越えられるのですが、ワタシにとって問題は打つ回数です。


「結構打つよ」

・・・結構ってことは、十回は覚悟だ。

悩むところです。ですが、とりあえず麻酔なしで行ってみようということに決めてきました。


受付のお姉さんにも「麻酔しなくて大丈夫ですか」と聞かれ、「がんばります。ダメだったら、子どものように泣きます」とワタシ。

以前、この病院でもの凄い勢いで泣いている子を見たことがあります。

注射で泣く子どもの気持ちが身に沁みてわかるというものです。


次回は三月です。経過はまたその際に。