風呂が壊れた

 先日、我が家の風呂が壊れた。


ガスが点火せず、ガス屋さんに見てもらったところ、部品の取り寄せに三、四日程かかるとのこと。


というわけで、たまに行っているいつもの銭湯へ家族三人通うことに。


昨夜は、自分の患者さんが夕方から入っていたので、父だけ先に行き、自分と千代さんは後から二人で行くことに。


千代さんとぶらぶら歩いて、もう銭湯は目の前というその時、


「ねーちゃん。お財布は?」

と突然言う千代さん。


は?財布?それは、あなたのご担当です。知らないよ。


と言うと、


「あれ?!!」

とバッグを漁りだす。


え??もしや忘れたの?


「大変、忘れてきちゃった~」


げ!となる自分。

そう遠くない昔に、二人で銭湯に来た時も千代さんは財布を忘れてツケ(有り得ん)にしてもらったことが・・・


それはまずいよ、一度ならず二度までも・・・そんな申し訳ない&お恥ずかしいのは御免だ。


帰る。帰る。と言う自分。


「大丈夫よ~。明日払いに来るから」

と暖簾をくぐる千代さん。


え~大丈夫じゃないよ。


番台のお母ちゃんに「財布忘れた」と言う千代さん。

「いいよいいよ。後で。知らない仲じゃないんだから」

と優しい風呂屋のお母ちゃん。


それでも入口で渋っていると、

「なに遠慮してんのよ~」

と、番台から降りてきて、自分の手を引き、

「早く入りなさいよ~」

と入れてくれた。


恐縮です。申し訳ない。


一方、千代さんは、

「なんで忘れちゃったのかしらね~」

と、さして気にもしていない様子でお風呂を満喫。

ある意味うらやましい性格。


帰り際、

「お風呂治っても、たまには来てよ~」

と言う風呂屋のお母ちゃん。

我が家の風呂が治るのが、ちょっと寂しそう。


そして、本日我が家の風呂は修理の末、無事に復活。

でも風呂代の支払があるので、それを払いがてら、

また銭湯に行く予定。